知覚過敏の違和感から痛みまで、段階別にわかりやすく解説
「冷たい飲み物を口に含んだ瞬間、歯がキーンとした」「歯ブラシが当たると、ピリッとする」そんな経験はないでしょうか。
それは、もしかしたら知覚過敏かもしれません。
ただ、知覚過敏と一口に言っても、「少し違和感がある程度」から「耐えられないほど痛い」まで、感じ方には幅があります。
今回は、知覚過敏の症状を段階別に整理しながら、それぞれの状態でどんな選択肢があるのかを、できるだけわかりやすくお伝えしたいと思います。
知覚過敏って、そもそも何が起きている状態?
知覚過敏とは、歯の表面を覆っているエナメル質が薄くなったり、歯茎が下がったりすることで、内側の象牙質という部分が露出し、刺激が神経に伝わりやすくなっている状態です。
象牙質には、神経につながる細かい管がたくさん通っています。ここに冷たいものや熱いもの、甘いもの、歯ブラシの刺激などが触れると、神経が反応して「しみる」「痛い」と感じるのです。
虫歯ではないのに歯がしみる、というのが知覚過敏の特徴です。
段階① ごくたまに、ほんの一瞬だけしみる
最初の段階は、「あれ?今ちょっとしみたかな」と感じる程度です。
冷たい飲み物を飲んだときや、冷たい風が歯に当たったとき、ほんの一瞬だけピリッとする。でも、すぐに治まるので、そこまで気にならない。
日常生活にほとんど支障はなく、「たまたまかな」と思ってしまうような状態です。
この段階では、まだ神経への刺激が軽く、象牙質の露出もわずかであることが多いです。
この時点で何かしなければいけないかというと、必ずしもそうではありません。ただ、「なぜしみるのか」を少し意識しておくことは大切です。
たとえば、歯磨きの力が強すぎて歯茎が少し下がってきている、歯ぎしりや食いしばりで歯の表面が少しずつ削れている、といった可能性があります。
この段階であれば、歯磨きの仕方を見直したり、知覚過敏用の歯磨き粉を使ったりするだけで、落ち着くこともあります。
段階② しみる頻度が増えてきて、少し気になる
次の段階は、「最近、よくしみるな」と感じるようになる状態です。
冷たいものだけでなく、熱いものや甘いもの、酸っぱいものでもしみるようになったり、歯磨きのたびに痛みを感じたりするようになります。
痛みが続く時間も、一瞬ではなく数秒ほど残るようになり、「これ、放っておいて大丈夫かな」と不安になってくる頃です。
この段階では、象牙質の露出が進んでいる可能性があります。
歯茎が下がって歯の根元が見えてきている、エナメル質が削れて象牙質が表に出ている、といった状態が考えられます。
ここまで来ると、セルフケアだけで改善するのは難しくなってきます。知覚過敏用の歯磨き粉を使っても、あまり変化を感じられないこともあるでしょう。
ただ、この段階でも「今すぐ治療しなければいけない」とは限りません。まずは、何が原因でしみているのかを確認することが大切です。
段階③ 日常生活で避けるようになってきた
さらに進むと、「冷たいものを飲むのが怖い」「この部分で噛むと痛いから、反対側で噛んでいる」といった行動の変化が出てきます。
痛みが長く続くようになり、しみるだけでなく、じんじんとした鈍い痛みを感じることもあります。
歯磨きをするのもつらくて、しみる部分を避けるようになる。そうすると、その部分だけ磨き残しが増えて、別の問題が起きるリスクも高まります。
この段階では、知覚過敏が生活に影響を与え始めていると言えます。
放置していると、さらに症状が進行したり、他のトラブルを引き起こしたりする可能性もあります。
「いつか治るかも」と思っていても、自然に治ることは少ないため、一度状態を確認してもらったほうが良い段階です。
段階④ 何もしていなくても痛む、じっとしていられない
最も進んだ段階は、何もしていなくても痛みを感じるようになった状態です。
冷たいものや熱いものを口にしていないのに、ズキズキと痛む。夜、眠れないほど痛みが続く。
こうなると、知覚過敏ではなく、虫歯や歯の神経に問題が起きている可能性があります。
また、歯の根元が大きく削れて神経が近くまで露出している、歯が割れている、といったケースも考えられます。
この段階では、「様子を見る」という選択肢はありません。早めに受診して、原因を特定し、適切な対処をする必要があります。
知覚過敏と虫歯の見分け方
ここで一つ、気になるのが「しみるのは知覚過敏なのか、それとも虫歯なのか」という点です。
知覚過敏の場合、刺激を受けたときだけ痛み、刺激がなくなればすぐに治まるのが特徴です。
一方、虫歯の場合は、刺激がなくなっても痛みが続いたり、何もしていないのに痛んだりすることがあります。
ただし、これはあくまで目安です。自分で判断するのは難しいため、気になる場合は一度確認してもらうことをおすすめします。
知覚過敏の原因はいろいろある
知覚過敏の原因は、一つではありません。
歯磨きの力が強すぎて、歯茎が下がってしまっている。歯ぎしりや食いしばりで、歯の表面が少しずつ削れている。酸っぱいものをよく食べるため、エナメル質が溶けている。歯周病が進行して、歯茎が下がっている。
こうした原因が重なって、知覚過敏が起きることもあります。
だからこそ、症状だけを見るのではなく、なぜそうなったのかを考えることが大切です。
原因がわからないまま対処しても、また同じ症状が繰り返される可能性があります。
知覚過敏の対処法は、段階によって変わる
知覚過敏の対処法は、症状の段階によって異なります。
初期の段階であれば、知覚過敏用の歯磨き粉を使ったり、歯磨きの仕方を見直したりするだけで改善することもあります。
中期の段階では、歯科医院で知覚過敏を抑える薬を塗ったり、露出した部分をコーティングしたりする処置が選択肢になります。
進行した段階では、神経の治療が必要になることもあります。
どの方法が適しているかは、実際に状態を見てみないとわかりません。「これをすれば必ず治る」という方法があるわけではないのです。
「様子を見る」という選択肢もある
ここで一つ、お伝えしておきたいことがあります。
知覚過敏があるからといって、必ずすぐに何か処置をしなければいけないわけではありません。
初期の段階で、生活に支障がない程度であれば、まずは経過を観察するという選択肢もあります。
知覚過敏用の歯磨き粉を使いながら、歯磨きの力を弱めてみる。しばらく様子を見て、悪化しなければそのまま継続する。
こうした対応で十分なこともあります。
大切なのは、「今、自分の歯がどんな状態なのか」を知ったうえで、どうするかを決めることです。
放置していいかどうかの判断基準
「しみるけれど、歯医者に行くほどじゃないかな」と思っている方もいるでしょう。
判断の目安として、こんなポイントがあります。
痛みがどんどん強くなってきている、しみる頻度が明らかに増えている、日常生活で避ける行動が出てきた、という場合は、一度確認してもらったほうが良いかもしれません。
逆に、たまにしみる程度で、特に悪化していないのであれば、しばらく様子を見るという選択も悪くありません。
ただし、「放置していい」と「様子を見る」は違います。様子を見るというのは、状態を意識しながら、変化に注意を払っておくことです。
知覚過敏は、予防できる?
知覚過敏は、完全に防ぐことはできませんが、リスクを減らすことはできます。
歯磨きのときに力を入れすぎない、毛先の柔らかい歯ブラシを使う、酸っぱいものを食べた後すぐに歯を磨かない、歯ぎしりや食いしばりがある場合はマウスピースを検討する。
こうした日常的なケアが、知覚過敏の予防につながります。
また、定期的にクリーニングを受けて、歯茎の状態や歯の表面の状態を確認しておくことも大切です。
知覚過敏は、ある日突然起きるものではありません。少しずつ進行していくものなので、早めに気づいて対処することができます。
「しみるのが当たり前」になっていませんか?
知覚過敏がある状態に慣れてしまうと、「これが普通」と思い込んでしまうことがあります。
冷たいものを避けるのが当たり前、この部分で噛まないのが当たり前、歯磨きのときに痛いのは仕方ない。
でも、本来は、しみることなく食事ができて、痛みなく歯磨きができる状態が「普通」です。
もし「しみるのが当たり前」になっているなら、一度その状態を見直してみても良いかもしれません。
まずは、自分の歯の状態を知ることから
知覚過敏かどうか、どの段階なのか、何が原因なのか。それは、実際に見てみないとわかりません。
「しみるのは知覚過敏だろう」と思っていても、実は虫歯だったり、歯が割れていたりすることもあります。
逆に、「虫歯かもしれない」と心配していたけれど、知覚過敏で、特に大きな処置は必要なかった、ということもあります。
まずは、今の状態を正確に知ること。それが、適切な選択をするための第一歩です。
雑色で、不安に寄り添ってくれる歯科医院
大田区・雑色周辺で、知覚過敏について相談してみたいと思ったとき、京急 雑色駅から徒歩4分の場所に、さかえ歯科医院があります。
ここでは、「できるだけ削らない、できるだけ神経を取らない」という考え方を大切にしており、治療を押し付けることはありません。
「しみるけど、治療が必要なのか知りたい」「まずは話を聞いてから決めたい」といった、相談ベースの受診も受け付けています。
選択肢を提示したうえで、納得して選んでもらうことを大切にしている医院なので、「どうしたらいいかわからない」という方にも向いています。
歯がしみるのは、もしかしたら何か理由があるのかもしれません。その理由を知るだけでも、安心につながることがあります。














