冬になると口の中がなんだか気になる…それ、乾燥のせいかもしれません
冬になると、なんとなく口の中が気になることはありませんか。
朝起きたときに口の中がカラカラしている。なんだか口臭が気になる気がする。歯磨きをしているのに、歯がざらつく感じがする。
こうした違和感は、もしかすると冬特有の「乾燥」が関係しているかもしれません。
肌の乾燥や喉のイガイガは気にする方が多いですが、「お口の乾燥」については見落とされがちです。でも実は、お口の中の環境は乾燥の影響を受けやすく、放っておくとさまざまなトラブルにつながることもあります。
この記事では、冬の乾燥がお口に与える影響と、唾液が果たしている大切な役割についてお伝えします。「なんとなく気になる」という段階の方にこそ、知っておいていただきたい内容です。
冬は、お口の中も乾燥しやすい季節です
冬は空気が乾燥する季節です。外の空気だけでなく、暖房を使う室内もまた、湿度が下がりやすくなります。
そうした環境の中で過ごしていると、知らず知らずのうちにお口の中も乾燥しがちになります。
特に影響を受けやすいのが、口呼吸をしている方です。鼻が詰まりやすい冬場は、無意識のうちに口で呼吸していることが増えます。寝ている間に口が開いてしまっている方も多いのではないでしょうか。
口で呼吸をしていると、空気が直接お口の中を通るため、唾液が蒸発しやすくなります。その結果、朝起きたときに口がカラカラになっていたり、喉がヒリヒリしたりすることがあります。
「冬だから仕方ない」と思いがちですが、この乾燥が続くと、お口の中ではいろいろな変化が起こり始めます。
唾液は「お口の守り役」です
お口の乾燥を考えるとき、まず知っておいていただきたいのが「唾液の役割」です。
唾液というと、「食べ物を飲み込みやすくするもの」というイメージがあるかもしれません。もちろんそれも大切な役割の一つですが、実は唾液にはもっとたくさんの働きがあります。
お口の中を洗い流す
唾液は、食べかすや細菌を洗い流す「自浄作用」を持っています。常にお口の中を潤しながら、汚れをためにくい状態を保っています。
細菌の繁殖を抑える
唾液の中には、細菌の活動を抑える成分が含まれています。これによって、虫歯や歯周病の原因となる菌が増えすぎないようにコントロールされています。
歯を修復する(再石灰化)
食事をすると、お口の中は一時的に酸性に傾き、歯の表面が少し溶けた状態になります。唾液には、この溶けた部分を修復する「再石灰化」を促す働きがあります。
粘膜を保護する
唾液は、お口の中の粘膜を乾燥や刺激から守る役割も担っています。潤いがあることで、食べ物や歯ブラシによる摩擦からも守られています。
このように、唾液は「お口の健康を守る番人」のような存在です。唾液が十分に出ていれば、お口の中は自然とバランスが保たれやすくなります。
唾液が減ると、どんなことが起きやすくなる?
では、唾液が減ってお口が乾燥した状態が続くと、どのようなことが起こりやすくなるのでしょうか。
虫歯のリスクが高まる
唾液による自浄作用や再石灰化の働きが弱まると、虫歯になりやすい環境になります。歯磨きをしていても、乾燥した状態では汚れが落ちにくく、菌が繁殖しやすくなります。
歯周病が進行しやすくなる
歯周病の原因となる菌も、乾燥した環境を好みます。歯茎が炎症を起こしやすくなったり、出血しやすくなったりすることがあります。
口臭が気になりやすくなる
お口の中が乾燥すると、細菌が出すガスがこもりやすくなり、口臭の原因になることがあります。「最近、なんとなく口の中が気になる」と感じる方は、乾燥が影響しているかもしれません。
口内炎ができやすくなる
粘膜が乾燥すると、傷つきやすくなります。ちょっとした刺激で口内炎ができやすくなるのも、乾燥が一因となっていることがあります。
こうしたトラブルは、一つひとつは小さなことに見えるかもしれません。でも、積み重なると、お口全体の健康に影響を与えることもあります。
「乾燥しているかも」と感じたら、できること
お口の乾燥が気になる場合、まずは日常生活の中でできることから始めてみるのも一つの方法です。
こまめな水分補給
一度にたくさん飲むよりも、少しずつこまめに水分を摂る方が、お口の潤いを保ちやすくなります。できれば糖分の入っていない水やお茶がおすすめです。
部屋の加湿
暖房を使う季節は、室内の湿度が下がりがちです。加湿器を使ったり、濡れタオルを干したりして、湿度を保つ工夫をしてみてください。
口呼吸に気づく
日中、気づいたら口が開いていた…ということはありませんか。意識的に鼻呼吸を心がけるだけでも、お口の乾燥を防ぐ助けになります。
唾液を出す工夫
よく噛んで食べること、ガムを噛むこと(キシリトール入りがおすすめです)、唾液腺をマッサージすることなども、唾液の分泌を促す方法として知られています。
こうしたセルフケアは、すぐに大きな変化が現れるものではありませんが、続けることでお口の環境を整える助けになります。
セルフケアだけでは補いきれないこともあります
日常の中での工夫はもちろん大切ですが、それだけでは補いきれない部分もあります。
たとえば、自分では気づかないうちに、乾燥によって歯の表面が傷んでいたり、歯茎に軽い炎症が起きていたりすることもあります。虫歯や歯周病は、初期のうちは自覚症状がほとんどないため、「痛くないから大丈夫」と思っていても、実は進行しているというケースも珍しくありません。
だからこそ、定期的にお口の状態をチェックしてもらうことには意味があります。
歯科医院でのクリーニングでは、普段の歯磨きでは落としきれない汚れを取り除くことができます。また、唾液の量や質、お口の乾燥具合なども確認してもらえます。必要に応じて、フッ素塗布などで歯を強くするケアを受けることもできます。
「治療が必要な状態」になる前に、「予防のために通う」という考え方が、これからのお口の健康を守ることにつながるのではないでしょうか。
「何かあるわけじゃないけど、ちょっと気になる」でも大丈夫
歯医者というと、「痛くなってから行く場所」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
でも、本当は「痛くならないために通う場所」でもあるのです。
「最近、なんとなく口の中が乾燥する気がする」
「朝起きたときに口がネバネバする」
「虫歯があるかどうか、自分ではわからない」
そんな、はっきりとした症状ではないけれど「ちょっと気になる」という段階でご相談いただくのは、まったく問題ありません。むしろ、そうした早い段階で来ていただけると、もし何かあったとしても、大がかりな治療を避けられる可能性が高くなります。
当院では、すぐに治療を始めるのではなく、まずはお話を伺い、お口の状態を一緒に確認するところから始めます。現状をお伝えした上で、必要であれば選択肢をご説明しますが、最終的に決めるのは患者さんご自身です。
「様子を見ましょう」という判断になることもありますし、「今すぐ何かをしなければいけない」ということばかりではありません。
乾燥が気になる冬こそ、お口のことを考えてみませんか
冬は、肌のケアや風邪予防に気を配る方が多い季節です。でも、お口のケアは意外と後回しになりがちではないでしょうか。
唾液が減ってお口が乾燥すると、虫歯や歯周病、口臭など、さまざまなトラブルのきっかけになることがあります。逆に言えば、お口の潤いを意識することは、こうしたトラブルを防ぐ第一歩にもなります。
日常のセルフケアを見直すこと、そして時々プロの目でチェックしてもらうこと。この両方を組み合わせることで、お口の健康はぐっと守りやすくなります。
「歯医者に行くほどではないかもしれないけど、ちょっと話を聞いてみたい」
そんな気持ちがあれば、それだけで十分です。当院は、雑色駅から徒歩4分の場所にあります。大田区・雑色周辺にお住まいの方のかかりつけ歯科として、ちょっとした相談ごとからお受けしています。
乾燥が気になるこの季節、お口のことも少しだけ気にかけてみていただければと思います。














