夏休みの自由研究、何にしよう?「歯」について調べてみませんか
夏休みの宿題で頭を悩ませるものの一つが、自由研究ではないでしょうか。
「何をテーマにしよう」「どんなことを調べればいいんだろう」
お子さん自身も、親御さんも、毎年悩まれることが多いと思います。
そんなとき、一つの提案があります。
「歯」について調べてみるのはいかがでしょうか。
歯は、毎日使っているのに、意外とその仕組みや役割について知らないことが多いものです。身近なテーマだからこそ、調べてみると新しい発見がたくさんあります。
この記事では、自由研究のヒントとして、歯の仕組みや豆知識をご紹介します。親子で一緒に読んでいただければ嬉しいです。
歯は何でできているの?
まずは、歯がどんな構造になっているのか見ていきましょう。
歯は、いくつかの層でできています。
エナメル質
歯の一番外側にある、白くて硬い部分です。人間の体の中で最も硬い組織で、食べ物を噛んだときの衝撃から歯を守っています。ダイヤモンドほどではありませんが、骨よりも硬いのです。
象牙質
エナメル質の内側にある層です。エナメル質より少し柔らかく、黄色みを帯びた色をしています。歯の大部分を占めている組織です。
歯髄(しずい)
歯の中心部にある、神経や血管が通っている部分です。「歯の神経」と呼ばれることもあります。歯に栄養を届けたり、痛みを感じたりする役割があります。
セメント質
歯の根っこの部分を覆っている薄い層です。歯を顎の骨にしっかり固定する役割を持っています。
歯は硬く見えますが、実は繊細な構造をしているのです。
乳歯と永久歯の違い
人間は一生の間に、乳歯と永久歯という2種類の歯を使います。
乳歯
赤ちゃんの頃から生え始める最初の歯です。全部で20本あります。だいたい生後6ヶ月頃から生え始め、2〜3歳頃に生えそろいます。6歳頃から抜け始めて、永久歯に生え変わっていきます。
永久歯
乳歯が抜けた後に生えてくる、大人の歯です。全部で28本(親知らずを入れると32本)あります。永久歯は一度生えたら、二度と生え変わりません。だからこそ、大切にしなければならないのです。
乳歯と永久歯には、いくつかの違いがあります。
・乳歯は永久歯より小さい
・乳歯の方が白っぽい色をしている
・乳歯のエナメル質は永久歯より薄い
・乳歯の方が虫歯になりやすく、進行も早い
「どうせ抜ける歯だから」と思われがちな乳歯ですが、永久歯が正しく生えてくるための道しるべの役割もあります。乳歯を大切にすることは、将来の永久歯を守ることにつながるのです。
歯にはどんな種類があるの?
口の中の歯をよく見てみると、形が違うことに気づくと思います。歯は、場所によって形が異なり、それぞれ役割があります。
切歯(せっし)
前歯のことです。上下合わせて8本あります。食べ物を噛み切る役割があります。薄くて平らな形をしています。
犬歯(けんし)
前歯のすぐ隣にある、先がとがった歯です。上下合わせて4本あります。「糸切り歯」とも呼ばれます。食べ物を引き裂く役割があります。
小臼歯(しょうきゅうし)
犬歯の奥にある歯です。上下合わせて8本あります。食べ物をすりつぶす役割があります。
大臼歯(だいきゅうし)
一番奥にある大きな歯です。上下合わせて8〜12本あります(親知らずを含めるかどうかで変わります)。食べ物をしっかりすりつぶして、飲み込みやすくする役割があります。
それぞれの歯が協力して、食べ物を食べやすい状態にしているのですね。
虫歯はどうしてできるの?
歯について調べるなら、虫歯の仕組みも知っておきたいですよね。
虫歯は、いくつかの条件が重なることでできます。
①虫歯菌がいる
口の中には、たくさんの細菌がいます。その中に、虫歯の原因となる細菌(ミュータンス菌など)がいます。
②糖分がある
虫歯菌は、食べ物に含まれる糖分をエサにしています。甘いお菓子やジュースだけでなく、ご飯やパンにも糖分は含まれています。
③酸が作られる
虫歯菌が糖分を食べると、酸を出します。この酸が歯の表面を溶かしていきます。これを「脱灰(だっかい)」と言います。
④時間が経つ
酸にさらされる時間が長くなると、歯が溶ける量が増えていきます。
つまり、虫歯を防ぐためには、虫歯菌を減らす(歯磨き)、糖分を控える、酸にさらされる時間を短くする、ということが大切なのです。
唾液(だえき)のすごい働き
実は、私たちの口の中には、歯を守ってくれる強い味方がいます。それが「唾液」です。
唾液には、こんな働きがあります。
洗い流す
食べ物のカスや細菌を洗い流して、口の中をきれいにしてくれます。
酸を中和する
虫歯菌が出した酸を中和して、歯が溶けるのを防いでくれます。
歯を修復する(再石灰化)
溶けかけた歯の表面に、カルシウムやリンなどのミネラルを届けて、修復してくれます。これを「再石灰化(さいせっかいか)」と言います。
細菌と戦う
唾液には、細菌の活動を抑える成分が含まれています。
唾液は1日に約1〜1.5リットルも出ていると言われています。よく噛んで食べると唾液がたくさん出るので、虫歯予防にも効果的なのです。
動物の歯と比べてみよう
自由研究をもっと面白くするなら、動物の歯と比べてみるのもおすすめです。
サメ
サメの歯は、何度も生え変わります。一生の間に何万本もの歯を使うと言われています。歯が抜けても、後ろから次々と新しい歯が出てくる仕組みになっています。
ゾウ
ゾウの歯は、前から後ろへ移動しながら生え変わります。一生の間に6回ほど歯が生え変わるそうです。
ウサギやネズミ
前歯が一生伸び続けます。硬いものをかじることで、歯がすり減って適切な長さを保っています。
ライオンやトラ
肉を食べるために、鋭い犬歯が発達しています。獲物を捕まえたり、肉を引き裂いたりするのに適した形をしています。
ウシやウマ
草を食べるために、平らな奥歯が発達しています。草をすりつぶすのに適した形をしています。
動物によって、食べるものに合わせて歯の形や仕組みが違うのですね。人間の歯は、いろいろな形があって、お肉も野菜もご飯も食べられるようになっています。
歯の自由研究アイデア
歯をテーマにした自由研究のアイデアをいくつかご紹介します。
歯の構造をまとめる
歯の断面図を描いて、エナメル質、象牙質、歯髄などの名前と役割を調べてまとめます。粘土や紙で歯の模型を作ると、より分かりやすくなります。
虫歯ができる仕組みを調べる
虫歯がどうやってできるのか、イラストを使って説明します。虫歯を予防する方法も一緒にまとめると良いでしょう。
動物の歯を比較する
いろいろな動物の歯の形や本数、特徴を調べて比較します。「肉を食べる動物」「草を食べる動物」「何でも食べる動物」で分類するのも面白いです。
歯磨きの実験
卵の殻(歯のエナメル質に似た成分でできています)を使って、酸に浸けるとどうなるか、フッ素を塗ると違いがあるかなどを実験します。
歯の歴史を調べる
昔の人はどうやって歯を磨いていたのか、歯ブラシの歴史などを調べてまとめます。
自分の歯を観察する
鏡を見ながら、自分の歯の本数や種類を数えてみます。乳歯が何本残っているか、永久歯は何本生えているかを記録するのも良いでしょう。
歯について知ると、大切にしたくなる
歯の仕組みや役割を知ると、「歯を大切にしなければ」という気持ちが自然と湧いてくるのではないでしょうか。
永久歯は一度失ったら、もう生えてきません。サメのように何度も生え変わったらいいのに、と思うかもしれませんが、人間の歯は一生ものなのです。
だからこそ、毎日の歯磨きや、虫歯を作らない食習慣が大切になります。
自由研究をきっかけに、お子さん自身が「歯を大切にしよう」と思ってくれたら、それが一番の成果かもしれません。
歯医者さんで話を聞いてみるのもおすすめ
自由研究をもっと深めたいなら、歯医者さんに話を聞いてみるのも一つの方法です。
歯の模型を見せてもらったり、歯医者さんに質問したりすることで、本やインターネットだけでは得られない情報を知ることができます。
当院でも、お子さんの自由研究のご質問にはできる限りお答えしています。夏休みの検診のついでに、「歯について教えてください」と聞いていただいても構いません。
また、夏休みは歯科検診を受けるのにも良いタイミングです。学校の歯科検診で気になる結果が出ていた方、しばらく歯医者に行っていない方は、この機会にお口の状態を確認してみてはいかがでしょうか。
親子で歯について話してみませんか
この記事を読んで、「歯って面白いな」と思っていただけたでしょうか。
自由研究のテーマとしてはもちろん、親子で歯について話すきっかけにしていただければ嬉しいです。
「歯磨きしなさい」と言うだけでなく、「どうして歯磨きが大切なのか」を一緒に考えることで、お子さんの意識も変わってくるかもしれません。
楽しい夏休みの思い出の一つとして、歯について学ぶ時間を作ってみてはいかがでしょうか。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください
「夏休み中に子どもの歯を見てほしい」
「自由研究で歯について質問したい」
「歯磨きの仕方を教えてほしい」
そんな方は、どうぞお気軽にお越しください。
京急線・雑色駅から徒歩4分、大田区・雑色エリアのかかりつけ歯科として、お子さんとご家族のお口の健康をサポートしています。













