いつまでも元気でいてほしいから。シニア世代のお口の健康について考えてみませんか

 

 

 

 

 

 

9月の第3月曜日は敬老の日。

 

おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん。大切な方の健康を願う日ですね。

 

「いつまでも元気でいてほしい」
「おいしく食事を楽しんでほしい」
「健康で長生きしてほしい」

 

そんな思いを持っている方は多いと思います。

 

健康を維持するためには、食事、運動、睡眠など、さまざまな要素がありますが、その中で意外と見落とされがちなのが「お口の健康」です。

 

この記事では、敬老の日にちなんで、シニア世代のお口の健康について、特に「誤嚥性肺炎」との関係を中心にお伝えします。

 

ご本人はもちろん、ご家族の方にも読んでいただければ幸いです。

 

お口の健康は全身の健康につながっています

 

お口の健康は、単に「歯がある」「虫歯がない」ということだけではありません。

 

しっかり噛めること、飲み込めること、会話ができること。こうした機能が保たれていることが、全身の健康や生活の質に大きく関わっています。

 

食事を楽しめる
歯が健康で、しっかり噛めると、いろいろな食べ物をおいしく食べることができます。栄養をきちんと摂ることは、体力や免疫力の維持につながります。

 

会話を楽しめる
歯や口の機能が保たれていると、はっきりとした発音で話すことができます。人との会話を楽しむことは、心の健康にも大切です。

 

全身の病気と関係がある
歯周病は、糖尿病や心臓病、脳卒中など、全身のさまざまな病気との関係が明らかになっています。お口の健康を保つことは、全身の健康を守ることにもつながるのです。

 

誤嚥性肺炎とは

 

シニア世代の方に特に知っておいていただきたいのが、「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」です。

 

誤嚥性肺炎は、日本人の死因の上位に入る深刻な病気です。特に高齢の方に多く発症します。

 

誤嚥とは、食べ物や飲み物、唾液などが、食道ではなく気管に入ってしまうことを言います。

 

通常、私たちは食べ物を飲み込むとき、気管に入らないように喉の蓋(喉頭蓋)が閉じる仕組みになっています。しかし、加齢によって飲み込む力や反射が弱くなると、この仕組みがうまく働かなくなり、誤嚥が起こりやすくなります。

 

誤嚥したものと一緒に、口の中の細菌が肺に入り込むと、肺炎を引き起こすことがあります。これが誤嚥性肺炎です。

 

お口の中の細菌と誤嚥性肺炎の関係

 

誤嚥性肺炎の大きな原因の一つが、お口の中の細菌です。

 

お口の中には、数百種類、数千億個もの細菌がいると言われています。健康な方でも細菌はいますが、お口のケアが不十分だと、細菌の数が増え、歯周病菌などの悪い細菌も増えていきます。

 

誤嚥したときに、これらの細菌が一緒に肺に入り込むことで、肺炎を引き起こすリスクが高まります。

 

つまり、お口の中を清潔に保つことは、誤嚥性肺炎の予防につながるのです。

 

実際に、介護施設などで口腔ケアを徹底したところ、誤嚥性肺炎の発症率が大幅に減少したという研究報告もあります。

 

シニア世代に多いお口のトラブル

 

年齢を重ねると、お口の中にもさまざまな変化が起こります。

 

歯周病の進行
歯周病は、歯を失う最大の原因です。年齢とともに進行しやすくなり、気づかないうちに悪化していることがあります。歯周病が進むと、歯がグラグラしてきたり、抜けてしまったりします。

 

虫歯(根面う蝕)
歯茎が下がると、歯の根元の部分が露出します。この部分は虫歯になりやすく、「根面う蝕」と呼ばれます。シニア世代に多い虫歯の一つです。

 

唾液の減少(ドライマウス)
加齢や服用している薬の影響で、唾液の分泌が減ることがあります。唾液には、口の中を洗い流したり、細菌の活動を抑えたりする働きがあるため、唾液が減ると虫歯や歯周病、口臭のリスクが高まります。

 

入れ歯のトラブル
入れ歯を使っている方は、合わなくなってきたり、汚れがたまりやすくなったりすることがあります。合わない入れ歯は、噛む力の低下や、口の中の傷の原因になります。

 

飲み込む力の低下
加齢とともに、飲み込む力(嚥下機能)が低下していきます。食事中にむせることが増えた、飲み込みにくくなった、という方は注意が必要です。

 

オーラルフレイルをご存じですか

 

最近、「オーラルフレイル」という言葉を聞くことが増えてきました。

 

オーラルフレイルとは、お口の機能が少しずつ低下していく状態のことです。「口の虚弱」とも言われます。

 

・滑舌が悪くなった
・食べこぼしが増えた
・むせることが増えた
・硬いものが噛みにくくなった
・口が乾きやすくなった
・食事の時間が長くなった

 

こうした小さな変化は、年齢のせいだと見過ごされがちですが、放置しているとお口の機能がさらに低下し、全身の虚弱(フレイル)につながっていきます。

 

逆に言えば、オーラルフレイルに早めに気づいて対策をすれば、お口の機能を維持・改善し、健康寿命を延ばすことができるのです。

 

誤嚥性肺炎を予防するために

 

誤嚥性肺炎を予防するためには、いくつかの方法があります。

 

お口の中を清潔に保つ
毎日の歯磨きはもちろん、舌の汚れ(舌苔)のケアも大切です。入れ歯を使っている方は、入れ歯の清掃も欠かさずに行いましょう。お口の中の細菌を減らすことが、誤嚥性肺炎予防の基本です。

 

定期的に歯科医院でケアを受ける
自分では落としきれない汚れや歯石は、歯科医院で取り除いてもらいましょう。定期的な専門的クリーニングは、誤嚥性肺炎の予防に効果があることがわかっています。

 

飲み込む力を維持するトレーニング
飲み込む力や舌の動きを維持するためのトレーニング(嚥下体操、口腔体操など)を取り入れることも効果的です。食事前に行うと、誤嚥の予防にもなります。

 

食事の姿勢や食べ方を工夫する
食事中は背筋を伸ばして座り、ゆっくりよく噛んで食べることで、誤嚥のリスクを減らすことができます。一度にたくさん口に入れず、少量ずつ食べることも大切です。

 

入れ歯を合わせておく
合わない入れ歯を使っていると、しっかり噛むことができず、飲み込みにも影響します。入れ歯が合わないと感じたら、調整してもらいましょう。

 

お口の体操を習慣に

 

飲み込む力やお口の機能を維持するために、簡単な体操を毎日の習慣にしてみませんか。

 

パタカラ体操
「パ」「タ」「カ」「ラ」と、一音ずつはっきり発音する体操です。それぞれの音が、唇、舌の先、舌の奥、舌全体を動かすトレーニングになります。食事前に10回ずつ繰り返すと、飲み込みがスムーズになります。

 

舌のストレッチ
舌を前に出したり、左右に動かしたり、上下に動かしたり。舌を意識して動かすことで、舌の筋力を維持できます。

 

頬のふくらまし
頬を膨らませたり、すぼめたりする運動も効果的です。左右交互に膨らませるのも良いでしょう。

 

唾液腺マッサージ
耳の下や顎の下を優しくマッサージすると、唾液の分泌が促されます。唾液が増えると、口の中が潤い、飲み込みやすくなります。

 

これらの体操は、テレビを見ながら、食事の前になど、日常生活の中に取り入れることができます。

 

ご家族の方へ

 

敬老の日は、大切な方の健康について考える良い機会です。

 

離れて暮らしているご両親や、一緒に住んでいるおじいちゃんおばあちゃん。普段の様子を見ていて、気になることはありませんか。

 

・食事中にむせることが増えた
・硬いものを避けるようになった
・食事に時間がかかるようになった
・口臭が気になるようになった
・入れ歯を外したままでいることが多い
・歯医者にしばらく行っていないようだ

 

こうした変化は、お口の機能が低下しているサインかもしれません。

 

ご本人は気づいていなかったり、「年だから仕方ない」と思っていたりすることもあります。

 

敬老の日をきっかけに、「最近、歯医者さんに行ってる?」「お口の調子はどう?」と、さりげなく声をかけてみてはいかがでしょうか。

 

もし心配な様子があれば、一緒に歯科医院に行くことを提案してみてください。

 

何歳からでも遅くありません

 

「もう歳だから」「今さら歯医者に行っても」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

でも、お口のケアは何歳からでも始められます。そして、何歳からでも効果があります。

 

今ある歯を大切にすること、お口の中を清潔に保つこと、飲み込む力を維持すること。これらはすべて、これからの健康と生活の質を守ることにつながります。

 

「遅すぎる」ということはありません。

 

当院でできること

 

当院では、シニア世代の方のお口の健康をサポートしています。

 

お口の状態のチェック
虫歯や歯周病はないか、歯茎の状態はどうか、噛み合わせに問題はないかなど、丁寧に確認します。

 

専門的なクリーニング
歯石や歯垢、着色汚れを取り除き、お口の中を清潔にします。誤嚥性肺炎予防にも効果的です。

 

入れ歯の調整・作製
入れ歯が合わない場合は調整を行います。必要に応じて、新しい入れ歯を作製することもできます。

 

口腔ケアのアドバイス
ご自宅でのケア方法や、お口の体操などについてアドバイスをお伝えします。

 

ご本人のペースに合わせて、無理のない診療を心がけています。

 

気になることがあれば、お気軽にご相談ください

 

「親のお口の状態が心配」
「最近むせることが増えてきた」
「入れ歯が合わなくなってきた気がする」
「久しぶりに歯医者に行きたい」

 

そんな方は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

お口の状態を確認し、今できることを一緒に考えます。

 

いつまでも元気で、おいしく食事を楽しめるように。大切な方のお口の健康を、一緒に守っていきましょう。

 

京急線・雑色駅から徒歩4分、大田区・雑色エリアのかかりつけ歯科として、あらゆる世代の皆さまのお口の健康をサポートしています。