むし歯のあれこれ、お伝えします

気になるむし歯の治療について

「前は気にならなかったけど、歯の表面が白っぽくなっている…虫歯だったらどうしよう!症状が出る前に、どうにかしないと…」

と、急いで歯科医院へ駆け込んだら、

「このくらいの虫歯なら、歯みがきをしっかりしていれば、進行しないですよ。」

と、歯科医師の先生に言われておどろいてしまった。本当に大丈夫なの?

 

というご質問をよくいただきます。

本当に、虫歯でも治療せずに放っておいて大丈夫なのでしょうか?

 

〜虫歯の進行度〜

虫歯の進行にも、段階があります。重症になるにつれて、早急に治療しないと手遅れになるので、虫歯の進行度を理解しておきましょう。

 

① CO 

虫歯の初期段階、歯の表が白っぽく濁っている状態です。

この状態なら歯みがきを徹底したり、高濃度フッ素の配合された歯磨き粉で虫歯の進行を遅らせることができます

 

② C1 

虫歯がエナメル質に入りこんで、冷たいものがしみます

 

③ C2 

エナメル質からもう一層奥の象牙質にまで到達します、冷たいもの、甘いものがしみて、時々痛みます

 

④ C3 

象牙質から神経まで到達します、熱いものがしみ、我慢できないほど強烈な痛

みが出ます

 

⑤ C4 

神経に到達し、神経が壊死します。この時はすでに痛みを感じません。


 

この進行度合いからもお分かりいただけるように、COなら、治療をする事なく、歯磨きや高濃度フッ素を使用することで、虫歯の進行を食い止めることができる、という事がわかります。

 

COの状態は、エナメル質の表層の部分にだけ虫歯の初期症状が起こっている状態です。

表面が濁っていたり、少し黒いポツポツとした点がある状態です。

虫歯などを検知する歯医者さんの道具で歯の表面を触ると、C1の場合にはカツっと小さな穴に引っかかりが強くなりますが、COの場合には、表面を触っても、引っかかるよりかは、ざらざらとしている感じです。



 

フッ素配合の歯磨き粉

高濃度のフッ素が配合された歯磨き粉について解説をしていきます。

まず、歯の表面にあるエナメル質をさらに強くするのが、高濃度のフッ素です。

フッ素は、歯の表面に塗布し浸透すると、

・再石灰化を促進させる

・エナメル質の結晶どうしを強く結びつける

・酸性に傾いてしまったお口の中や、虫歯の出す酸にも抵抗する力が持てる

 

このような効果があります。

 

虫歯の細菌は、酸を出して歯の表面を溶かしながら、進行していきます。

お口の中は、お食事などで、酸性にも、アルカリ性にも傾きやすい状態です。

歯の表面は、エナメル質という体の中で一番硬い組織です。

ですが、酸性の状態が長く続くと、エナメル質の表面も溶け出しやすくなってしまいます。

アルカリ性に傾いているときに、歯は自身の唾液のリンやカルシウム、ミネラルで再石灰化と言って、酸性で溶け出してしまった歯の表面、エナメル質を自力で補修しようと働きます。そこで、高濃度のフッ素歯磨き粉を使用する事で、より効果を発揮します。

 

そうしたことから、

初期虫歯(CO)が見つかって、これ以上進行させたくない!

小さい頃に虫歯で苦労したから、大人の今も虫歯予防を徹底したい!

という方には、高濃度フッ素配合の歯磨き粉を、毎日使用することをオススメします。

毎日使用することで、定期的にフッ素をエナメル質に取り込む事ができます。


 

歯医者さんでフッ素を塗ろう

高濃度フッ素配合の歯磨き粉を使用するだけでは、心配…

という方には、”歯科医院で高濃度フッ素を塗布する”という方法も有ります。

市販のフッ素入り歯磨き粉は、1500ppm(フッ素の単位はppm)までに定められているので上限オーバーしないために、1450ppmで販売しているものがほとんどです。

歯科医院で塗布する事ができる、高濃度フッ素は9000ppmです。

市販の約6倍の高濃度フッ素を塗布する事ができます。

高濃度フッ素塗布は、小児の患者様だけでなく、幅広い年代で使用することが可能です。

まとめ

初期段階の虫歯をご自身で見つけるのは、至難の業です。

定期検診に通うことで、虫歯がないかチェックをすることや、磨くのが難しい場所を把握して、定期的に歯医者さんで高濃度のフッ素を塗布することで、虫歯とは距離のある環境を目指していきましょう。