秋の味覚をおいしく味わえていますか?気になる方は歯周病セルフチェックを
食欲の秋がやってきました。
さんま、栗、さつまいも、柿、ぶどう、松茸、新米…。秋は旬のおいしい食べ物がたくさんありますよね。
でも、こんなことはありませんか?
「最近、硬いものを噛むのがちょっとつらい」
「さんまの骨を取るとき、歯がグラつく気がする」
「りんごを丸かじりすると、歯茎から血が出る」
「食べ物が歯の間に挟まりやすくなった」
もしこうした症状に心当たりがあれば、それは歯周病のサインかもしれません。
この記事では、秋の味覚を存分に楽しむために知っておきたい歯周病のことと、ご自宅でできるセルフチェックの方法をお伝えします。
おいしく食べるためには健康な歯と歯茎が大切
おいしい食事を楽しむためには、歯と歯茎が健康であることが欠かせません。
秋の味覚には、しっかり噛んで味わいたいものがたくさんあります。
・さんまの塩焼きを骨から身を外しながら食べる
・栗ごはんの栗をしっかり噛んで甘みを感じる
・りんごや梨をシャキシャキとかじる
・新米のご飯をじっくり噛んで味わう
これらを楽しむためには、歯がしっかりしていること、歯茎が健康であることが必要です。
もし歯周病が進行していると、歯がグラついたり、噛むときに痛みを感じたりして、食事を楽しむことが難しくなってしまいます。
歯周病とは
歯周病は、歯を支えている歯茎や骨が、細菌によって炎症を起こす病気です。
日本の成人の約8割が歯周病にかかっている、またはその予備軍だと言われています。とても身近な病気なのです。
歯周病は、初期の段階ではほとんど痛みがありません。そのため、気づかないうちに進行してしまうことが多いのが特徴です。
「サイレントディジーズ(静かな病気)」とも呼ばれ、症状に気づいたときには、かなり進行していることも珍しくありません。
歯周病が進行すると、歯を支えている骨が溶けてしまい、最終的には歯が抜けてしまうこともあります。実は、歯を失う原因の第1位は虫歯ではなく、歯周病なのです。
歯周病の進行段階
歯周病は、段階を追って進行していきます。
歯肉炎
最も初期の段階です。歯茎に炎症が起きて、赤く腫れたり、歯磨きのときに出血したりします。この段階では、まだ骨は溶けていません。適切なケアをすれば、健康な状態に戻すことができます。
軽度歯周炎
炎症が歯茎の奥にまで広がり、歯を支えている骨が少し溶け始めます。歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)が深くなってきます。
中等度歯周炎
骨がさらに溶けて、歯を支える力が弱くなってきます。歯がグラつき始めることもあります。口臭が気になることも増えてきます。
重度歯周炎
骨が大きく溶けてしまい、歯がかなりグラグラする状態です。噛むと痛みを感じたり、歯が自然に抜けてしまったりすることもあります。
進行すればするほど、治療は難しくなり、歯を残すことが困難になっていきます。だからこそ、早い段階で気づくことが大切なのです。
歯周病セルフチェック
歯周病は自覚症状が少ない病気ですが、いくつかのサインがあります。ご自身の状態をチェックしてみましょう。
以下の項目に、いくつ当てはまりますか?
□ 歯磨きのとき、歯茎から血が出ることがある
□ 歯茎が赤く腫れている
□ 歯茎を押すと痛い、または違和感がある
□ 歯茎が下がって、歯が長くなったように見える
□ 歯と歯の間に隙間ができてきた
□ 食べ物が歯の間に挟まりやすくなった
□ 朝起きたとき、口の中がネバネバする
□ 口臭が気になる、または人に指摘されたことがある
□ 歯がグラグラする感じがある
□ 硬いものを噛みにくくなった
□ 歯茎から膿が出ることがある
□ 最近、歯並びが変わってきた気がする
結果の目安
・0個:今のところ歯周病の兆候は見られません。このまま予防を続けましょう。
・1〜2個:歯周病の初期段階の可能性があります。一度検診を受けることをおすすめします。
・3〜5個:歯周病が進行している可能性があります。早めに歯科医院で確認しましょう。
・6個以上:歯周病がかなり進行している恐れがあります。できるだけ早く受診してください。
このセルフチェックはあくまで目安です。当てはまる項目が少なくても、歯周病が始まっていることもあります。気になることがあれば、一度歯科医院で確認してもらうことをおすすめします。
歯周病の原因
歯周病の主な原因は、歯垢(プラーク)に含まれる細菌です。
歯垢は、歯磨きで落としきれなかった汚れと細菌が混ざり合ってできた、ネバネバした膜のようなものです。この歯垢の中にいる細菌が、歯茎に炎症を起こします。
歯垢は、時間が経つと唾液中のミネラルと結びついて�ite化し、歯石になります。歯石になると、歯ブラシでは落とすことができません。歯石の表面はザラザラしているため、さらに歯垢がつきやすくなり、悪循環が生まれます。
歯周病を引き起こす要因は、歯垢・歯石だけではありません。次のようなことも、歯周病のリスクを高めます。
喫煙
タバコに含まれる成分が、歯茎の血流を悪くし、免疫力を低下させます。喫煙者は非喫煙者に比べて、歯周病になるリスクが数倍高いと言われています。
糖尿病
糖尿病と歯周病は、お互いに悪影響を与え合う関係にあります。糖尿病があると歯周病になりやすく、歯周病があると糖尿病が悪化しやすくなります。
ストレス・疲労
ストレスや疲労がたまると、免疫力が下がり、歯周病が進行しやすくなります。
歯ぎしり・食いしばり
歯に過度な力がかかると、歯を支える組織にダメージを与え、歯周病を悪化させることがあります。
不規則な生活習慣
睡眠不足や偏った食生活は、体の抵抗力を下げ、歯周病のリスクを高めます。
歯周病は全身の健康にも影響します
歯周病は、お口の中だけの問題ではありません。
近年の研究で、歯周病が全身のさまざまな病気と関係していることがわかってきています。
心臓病・脳卒中
歯周病菌が血管に入り込み、動脈硬化を進行させることがあります。心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まるという報告があります。
糖尿病
歯周病があると血糖コントロールが難しくなり、糖尿病が悪化しやすくなります。
誤嚥性肺炎
歯周病菌を含んだ唾液を誤嚥(気管に入れてしまうこと)すると、肺炎を引き起こすことがあります。特に高齢の方に多い病気です。
早産・低体重児出産
妊娠中に歯周病があると、早産や低体重児出産のリスクが高まるという研究があります。
お口の健康を守ることは、全身の健康を守ることにもつながるのです。
歯周病を予防するために
歯周病を予防するために、日常生活でできることをご紹介します。
正しいブラッシング
歯と歯茎の境目を意識して、やさしく丁寧に磨きましょう。力を入れすぎず、小刻みに歯ブラシを動かすのがポイントです。歯ブラシの毛先が広がったら、新しいものに交換しましょう。
デンタルフロス・歯間ブラシの使用
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れを落としきることはできません。デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯間もケアしましょう。
定期的な歯科検診とクリーニング
自分では落としきれない汚れや歯石は、歯科医院で専門的に取り除いてもらいましょう。定期的に通うことで、歯周病の早期発見・早期対処にもつながります。
禁煙
喫煙は歯周病の大きなリスク要因です。禁煙することで、歯周病のリスクを大幅に下げることができます。
バランスの良い食生活
栄養バランスの取れた食事は、体の抵抗力を高め、歯周病の予防にも役立ちます。ビタミンCは歯茎の健康に、カルシウムは歯や骨の健康に大切です。
十分な睡眠とストレス解消
体の免疫力を維持するために、しっかり休息を取り、ストレスをためすぎないようにしましょう。
歯周病は早期発見・早期対処が大切
歯周病は、初期の段階で見つけることができれば、比較的簡単に改善することができます。
歯肉炎の段階であれば、正しいブラッシングと専門的なクリーニングで、健康な状態に戻すことが可能です。
しかし、進行してしまうと、治療に時間がかかったり、歯を失うリスクが高まったりします。溶けてしまった骨は、基本的には元には戻りません。
だからこそ、「痛くなってから」「グラグラしてから」ではなく、何も症状がないうちから定期的にチェックすることが大切なのです。
秋の味覚を楽しむために
さんまの塩焼き、栗ごはん、焼き芋、りんご、新米…。
秋のおいしいものを存分に味わうためには、健康な歯と歯茎が欠かせません。
「最近、噛みにくくなった気がする」
「歯茎の調子が良くない」
そんな方は、ぜひこの機会にお口の状態を確認してみませんか。
秋の味覚を、これからもずっとおいしく楽しめるように。お口の健康を大切にしていきましょう。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください
「セルフチェックで気になる項目があった」
「歯茎の状態を見てほしい」
「歯周病かどうか確認したい」
そんな方は、どうぞお気軽にご相談ください。
お口の状態を丁寧に確認し、今の状態や、これからどうすれば良いかをわかりやすくお伝えします。治療が必要な場合も、押し付けることはせず、選択肢をご説明した上で、一緒に考えていきます。
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